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8 <title>動的共有オブジェクト (DSO) サポート - Apache HTTP サーバ</title>
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13 <body id="manual-page"><div id="page-header">
14 <p class="menu"><a href="./mod/">モジュール</a> | <a href="./mod/directives.html">ディレクティブ</a> | <a href="./faq/">FAQ</a> | <a href="./glossary.html">用語</a> | <a href="./sitemap.html">サイトマップ</a></p>
15 <p class="apache">Apache HTTP サーバ バージョン 2.3</p>
16 <img alt="" src="./images/feather.gif" /></div>
17 <div class="up"><a href="./"><img title="<-" alt="<-" src="./images/left.gif" /></a></div>
19 <a href="http://www.apache.org/">Apache</a> > <a href="http://httpd.apache.org/">HTTP サーバ</a> > <a href="http://httpd.apache.org/docs/">ドキュメンテーション</a> > <a href="./">バージョン
20 2.3</a></div><div id="page-content"><div id="preamble"><h1>動的共有オブジェクト (DSO) サポート</h1>
22 <p><span>言語: </span><a href="./en/dso.html" hreflang="en" rel="alternate" title="English"> en </a> |
23 <a href="./fr/dso.html" hreflang="fr" rel="alternate" title="Français"> fr </a> |
24 <a href="./ja/dso.html" title="Japanese"> ja </a> |
25 <a href="./ko/dso.html" hreflang="ko" rel="alternate" title="Korean"> ko </a> |
26 <a href="./tr/dso.html" hreflang="tr" rel="alternate" title="Türkçe"> tr </a></p>
29 <p>Apache HTTP サーバはモジュール化されたプログラムで、
30 管理者がモジュールを選択することでサーバに組み込む機能を選ぶことができます。
31 モジュールはサーバがビルドされるときに <code class="program"><a href="./programs/httpd.html">httpd</a></code> バイナリに
32 静的に組み込むことができます。もしくは、<code class="program"><a href="./programs/httpd.html">httpd</a></code> バイナリとは
33 別に存在する動的共有オブジェクト (訳注: Dynamic Shared Object)
35 できます。DSO モジュールはサーバがビルドされるときにコンパイルしたり、
36 Apache 拡張ツール (<code class="program"><a href="./programs/apxs.html">apxs</a></code>) を
37 使って後でコンパイルして追加したりできます。</p>
39 <p>この文書は DSO モジュールの使い方と、仕組みについて
42 <div id="quickview"><ul id="toc"><li><img alt="" src="./images/down.gif" /> <a href="#implementation">実装</a></li>
43 <li><img alt="" src="./images/down.gif" /> <a href="#usage">使用法の概要</a></li>
44 <li><img alt="" src="./images/down.gif" /> <a href="#background">背景</a></li>
45 <li><img alt="" src="./images/down.gif" /> <a href="#advantages">利点と欠点</a></li>
47 <div class="top"><a href="#page-header"><img alt="top" src="./images/up.gif" /></a></div>
49 <h2><a name="implementation" id="implementation">実装</a></h2>
51 <table class="related"><tr><th>関連モジュール</th><th>関連ディレクティブ</th></tr><tr><td><ul><li><code class="module"><a href="./mod/mod_so.html">mod_so</a></code></li></ul></td><td><ul><li><code class="directive"><a href="./mod/mod_so.html#loadmodule">LoadModule</a></code></li></ul></td></tr></table>
53 <p>個々の Apache モジュールをロードするための DSO サポートは
54 <code class="module"><a href="./mod/mod_so.c.html">mod_so.c</a></code> というモジュールの機能に基づいています。
55 このモジュール は Apache のコアに静的に組み込まれている必要があります。
56 それは <code class="module"><a href="./mod/core.c.html">core.c</a></code> 以外では DSO にできない唯一の
57 モジュールです。事実上、他のすべての Apache のモジュールは、
58 <a href="install.html">インストールの文書</a>で説明されているように、
59 <code class="program"><a href="./programs/configure.html">configure</a></code> の
60 <code>--enable-<em>module</em>=shared</code> オプションでそれぞれを
61 DSO ビルドにすることにより、DSO モジュールにすることができます。
62 <code>mod_foo.so</code> のような DSO にモジュールがコンパイルされれば、
63 <code>httpd.conf</code> ファイル中で <code class="module"><a href="./mod/mod_so.html">mod_so</a></code> の
64 <code class="directive"><a href="./mod/mod_so.html#loadmodule">LoadModule</a></code>
65 ディレクティブを使うことでサーバの起動や再起動時にこのモジュールを
68 <p>Apache モジュール用の (特にサードパーティモジュールの) DSO ファイルの
69 作成を簡単にするために、<code class="program"><a href="./programs/apxs.html">apxs</a></code>
70 (<dfn>APache eXtenSion</dfn>) という新しいサポートプログラムがあります。
71 Apache のソースツリーの<em>外で</em> DSO モジュールをビルドするために
72 使うことができます。発想は単純です: Apache のインストール時の
73 <code class="program"><a href="./programs/configure.html">configure</a></code>、<code>make install</code> のときに Apache の
74 C ヘッダをインストールし、DSO ビルド用のプラットフォーム依存の
75 コンパイラとリンカのフラグを <code class="program"><a href="./programs/apxs.html">apxs</a></code> プログラムに追加します。
76 これにより、ユーザが Apache の配布ソースツリーなしで、さらに
77 DSO サポートのためのプラットフォーム依存のコンパイラやリンカの
78 フラグをいじることなく Apache のモジュールのソースをコンパイル
80 </div><div class="top"><a href="#page-header"><img alt="top" src="./images/up.gif" /></a></div>
82 <h2><a name="usage" id="usage">使用法の概要</a></h2>
84 <p>Apache 2.x の DSO 機能の概略を知ることができるための、
89 <em>配布されている</em> Apache モジュール、仮に <code>mod_foo.c</code>
90 として、それを DSO <code>mod_foo.so</code> にビルド、インストール:
92 <div class="example"><p><code>
93 $ ./configure --prefix=/path/to/install --enable-foo=shared<br />
99 <em>サードパーティ</em> Apache モジュール、仮に <code>mod_foo.c</code>
100 として、それを DSO <code>mod_foo.so</code> にビルド、インストール:
102 <div class="example"><p><code>
103 $ ./configure --add-module=<var>module_type</var>:/path/to/3rdparty/mod_foo.c \<br />
104 <span class="indent">
105 --enable-foo=shared<br />
112 共有モジュールの <em>後々のインストール</em> のために
115 <div class="example"><p><code>
116 $ ./configure --enable-so<br />
122 <em>サードパーティ</em> Apache モジュール、仮に <code>mod_foo.c</code>
123 として、それを <code class="program"><a href="./programs/apxs.html">apxs</a></code> を使って
124 Apache ソースツリーの<em>外で</em> DSO にビルド、インストール:
126 <div class="example"><p><code>
127 $ cd /path/to/3rdparty<br />
128 $ apxs -c mod_foo.c<br />
129 $ apxs -i -a -n foo mod_foo.la
134 <p>どの場合においても、共有モジュールをコンパイルした後で、
135 <code>httpd.conf</code> で
136 <code class="directive"><a href="./mod/mod_so.html#loadmodule">LoadModule</a></code>
137 ディレクティブを使って Apache がモジュールを使用するように
139 </div><div class="top"><a href="#page-header"><img alt="top" src="./images/up.gif" /></a></div>
140 <div class="section">
141 <h2><a name="background" id="background">背景</a></h2>
143 <p>最近の Unix 系の OS には <em>動的共有オブジェクト</em> (DSO)
144 の動的リンク/ロードという気のきいた機構が
145 存在します。これは、実行時にプログラムのアドレス空間に
146 ロードできるような特別な形式でプログラムをビルドすることを
149 <p>このロードは二つの方法で行なうことができます: 実行プログラムが
150 起動されたときに <code>ld.so</code> というシステムプログラム
151 により自動的に行なわれる方法と、実行プログラム中から、システムコール
152 <code>dlopen()/dlsym()</code> による Unix ローダへの
153 プログラムシステムのインタフェースを使って手動で行なう方法とが
156 <p>最初の方法では DSO は普通は<em>共有ライブラリ</em>や <em>DSO
157 ライブラリ</em> と呼ばれていて、DSO の名前は
158 <code>libfoo.so</code> や <code>libfoo.so.1.2</code> のようになっています。
159 これらはシステムディレクトリ (通常 <code>/usr/lib</code>) に存在し、
160 実行プログラムへのリンクはビルド時に <code>-lfoo</code> をリンカに
161 指定することで確立されます。これによりライブラリへの参照が実行プログラムの
162 ファイルに書き込まれて、起動時に Unix のローダが <code>/usr/lib</code> や、
163 リンカの <code>-R</code> のようなオプションによりハードコードされたパス、
164 環境変数 <code>LD_LIBRARY_PATH</code> により設定されたパス、の中から
165 <code>libfoo.so</code> の場所を見つけることができます。それから、
166 実行プログラム中の (まだ未解決の) シンボルを DSO にあるシンボルで
169 <p>普通は実行プログラム中のシンボルは DSO からは参照されません
170 (DSO は一般的なコードによる再利用可能なライブラリですので)。
171 ですから、さらなるシンボルの解決は必要ありません。
172 シンボルは Unix ローダにより完全な解決が行なわれますので、実行ファイル自身は
173 何もする必要がありません。(実際のところ、静的でない方法でリンクされている
174 すべての実行プログラムに組み込まれている開始用のコードの一部に
175 <code>ld.so</code> を起動するコードが含まれています)。よく使われる
176 ライブラリの動的ロードの利点は明らかです。ライブラリのコードは
177 システムライブラリに <code>libc.so</code> のようにして一度保存するだけでよく、
178 プログラムのために必要なディスクの領域を節約することができます。</p>
180 <p>二つめの方法では DSO は普通は<em>共有オブジェクト</em>や
181 <em>DSO ファイル</em>と呼ばれていて、任意の拡張子を付けることができます
182 (ただし、標準的な名前は <code>foo.so</code> です)。
183 これらのファイルは通常はプログラム専用のディレクトリに置かれ、
184 これらを使う実行プログラムへのリンクは自動的にはされません。
185 ですので、実行プログラムは <code>dlopen()</code> を使って
186 実行時に手動で DSO をプログラムのアドレス空間にロードする必要があります。
187 この時点では実行プログラムに対して DSO のシンボルの解決は行なわれません。
188 しかし、その代わりに Unix のローダが DSO の (まだ未解決の) シンボルを
189 実行プログラムによりエクスポートされたシンボルと既にロードされた
190 DSO ライブラリによりエクスポートされたシンボル (特に、どこにでもある
191 <code>libc.so</code> のすべてのシンボル) で自動的に解決します。
192 こうすることで、DSO は最初から静的にリンクされていたかのように、
193 実行プログラムのシンボルを知ることができます。</p>
195 <p>最後に、DSO の API を利点を生かすために、プログラムは
196 後でディスパッチテーブル<em>など</em>でシンボルを使うことができるように、
197 <code>dlsym()</code> を使っていくつかのシンボルを解決します。
198 すなわち: 実行プログラムは必要なすべてのシンボルを手動で解決しなければ
199 なりません。この機構の利点はプログラムのオプショナルな部分は
200 必要になるまでロードする必要がない (だからメモリも消費しない)
201 ことです。必要ならば、基本プログラムの機能を拡張するために
202 これらの部分を動的にロードすることができます。</p>
204 <p>この DSO 機構は簡単なように見えますが、少なくとも一つ難しい点が
205 あります: プログラムを拡張するために DSO を使っているときに、
206 DSO が実行プログラムからシンボルを解決する点です (二番目の方法)。
207 これはなぜでしょうか。それは、DSO のシンボルを実行プログラムの
208 シンボルから「逆解決」するというのはライブラリの設計
209 (ライブラリはそれを使用するプログラムのことは何も
210 知らない) に反していて、この機能はすべてのプラットフォームに
211 あるわけではなく、標準化もされていないからです。
212 実際には実行プログラムのグローバルなシンボルは再エクスポートされることは
213 あまりなく、DSO から使うことができません。リンカにグローバルシンボルすべてを
214 エクスポートするようにさせる方法を見つけることが、実行時にプログラムを
215 拡張するために DSO を使うときの一番の問題です。</p>
217 <p>共有ライブラリのアプローチが普通の方法です。DSO 機構はそのために
218 設計されたものですから。したがって、その方法はオペレーティングシステムが
219 提供するほとんどすべての種類のライブラリで使われています。
220 一方、プログラムの拡張のために共有オブジェクトを使用する、という方は
223 <p>1998 年の時点で、実行時に実際に機能拡張のために DSO 機構を使っている
224 ソフトウェアパッケージは少しだけでした: Perl 5 (XS 機構と DnaLoader モジュール
225 によるもの)、Netscape サーバ<em>など</em>です。Apache はすでに
226 モジュールの概念を使って機能拡張をしていて、内部的にディスパッチリストに
227 基づいた外部モジュールの Apache コア機能へのリンクを行なっていましたので、
228 バージョン 1.3 から、Apache も DSO 機構を使う仲間になりました。
229 Apache は実行時に DSO を使ってモジュールをロードするようにすでに
231 </div><div class="top"><a href="#page-header"><img alt="top" src="./images/up.gif" /></a></div>
232 <div class="section">
233 <h2><a name="advantages" id="advantages">利点と欠点</a></h2>
235 <p>上記の DSO に基づいた機能は以下の利点があります:</p>
238 <li>実際のサーバプロセスを組み立てるために、
239 ビルド時に <code>configure</code> のオプションを使う代わりに
240 実行時に <code>httpd.conf</code> の設定用コマンド
241 <code class="directive"><a href="./mod/mod_so.html#loadmodule">LoadModule</a></code>
242 を使うことができますので、サーバパッケージの柔軟性が高まりました。
243 たとえば、一つの Apache のインストールから
244 違う構成のサーバ (標準版と SSL 版、最小構成と拡張版 [mod_perl, PHP3]
245 <em>など</em>) を実行することができます。</li>
247 <li>インストールの後であっても、サーバのパッケージをサードパーティ
248 モジュールで簡単に拡張できるようになりました。これは、Apache コア
249 パッケージと、PHP3, mod_perl, mod_fastcgi <em>など</em> の追加の
250 パッケージを作成できるので、少なくともベンダのパッケージ管理者にとって
253 <li>Apache モジュールの開発が簡単になります。
254 これは DSO と <code class="program"><a href="./programs/apxs.html">apxs</a></code> の組み合わせにより、Apache ソースツリーの
255 外で作業でき、開発中のモジュールの新しいバージョンを
256 実行中の Apache サーバに組み込むために <code>apxs -i</code> と
257 <code>apachectl restart</code> を行なうだけで良くなるからです。</li>
260 <p>DSO には以下の欠点があります:</p>
263 <li>すべてのオペレーティングシステムがプログラムのアドレス空間に
264 コードを動的ロードすることをサポートしているわではないので、
265 プラットフォームによっては DSO 機構は使えません。</li>
267 <li>Unix のローダがシンボルの解決をする必要ができたので、
268 そのオーバヘッドによりサーバの起動時間が約 20% 遅くなっています。</li>
270 <li>位置非依存コード (PIC) (訳注 position independent code) は
271 相対アドレスのために複雑なアセンブラのトリックが必要なことがあり、
272 それは必ずしも絶対アドレスと同じくらいの速度がでるわけではありませんので、
273 プラットフォームによってはサーバの実行速度が約 5% 遅くなります。</li>
275 <li>DSO モジュールはすべてのプラットフォームで他の DSO に基づいた
276 ライブラリに対してリンクできる (<code>ld -lfoo</code>)
277 というわけではありませんので (たとえば、a.out のプラットフォームでは
278 この機能はありませんが、ELF のプラットフォームにはあります)、
279 すべての種類のモジュールに DSO 機構を使えるわけではありません。
280 言い換えると、DSO ファイルとしてコンパイルされたモジュールの
282 Apache のコアのシンボル、C ライブラリ (<code>libc</code>) と
283 Apache コアが使っている他のすべての静的なライブラリと動的ライブラリの
284 シンボル、PIC による静的なライブラリ (<code>libfoo.a</code>) の
285 シンボルのみに制限されます。その他のコードを使う方法は、
286 Apache コア自身がすでにそのコードへの参照があるようにするか、
287 <code>dlopen ()</code> を使ってコードを自分自身でロードするかの
292 <div class="bottomlang">
293 <p><span>言語: </span><a href="./en/dso.html" hreflang="en" rel="alternate" title="English"> en </a> |
294 <a href="./fr/dso.html" hreflang="fr" rel="alternate" title="Français"> fr </a> |
295 <a href="./ja/dso.html" title="Japanese"> ja </a> |
296 <a href="./ko/dso.html" hreflang="ko" rel="alternate" title="Korean"> ko </a> |
297 <a href="./tr/dso.html" hreflang="tr" rel="alternate" title="Türkçe"> tr </a></p>
298 </div><div id="footer">
299 <p class="apache">Copyright 2010 The Apache Software Foundation.<br />Licensed under the <a href="http://www.apache.org/licenses/LICENSE-2.0">Apache License, Version 2.0</a>.</p>
300 <p class="menu"><a href="./mod/">モジュール</a> | <a href="./mod/directives.html">ディレクティブ</a> | <a href="./faq/">FAQ</a> | <a href="./glossary.html">用語</a> | <a href="./sitemap.html">サイトマップ</a></p></div>